機械式時計の扱い方でよく聞く話のひとつに、「時計の針を逆回転させない」というものがあります。
そこで今回はその真偽や、どの程度なら時計の針の逆回転させても大丈夫なのかを調べてみました。
※100%故障しないことを保証するものではありませんので、予めご了承ください。
目次
逆戻しを避けたほうが良い時計
調べた結果、以下のような時計は針の逆回しは極力避けたほうが良いでしょう。
- アンティーク時計
- 複雑時計(レトログラード、永久カレンダー、ミニッツリピーターなど)
機械式でも、比較的新しい時計であれば、針の逆方向でも問題ないという作りの時計が多いとのこと。
反対にアンティークやヴィンテージの時計や、レトログラードといった複雑時計の場合は故障リスクが高く、逆回しでの時間調整は控えたほうが良いでしょう。
また針の扱いで気をつけるべきは、逆回し以上に「カレンダー合わせ」。歯車の構造上、午後8時から午前4時の間での日付変更は避けましょう。
この禁止時間帯で日付変更すると、「日送り車のツメ」が変形して故障してしまいます。
これくらいなら逆回しでも低リスク
調べていると「いくらでも逆回ししてOK」「数時間程度ならOK」などいくつかの説が見つかりましたが、具体的な根拠まで言及していた情報は見つかりませんでした。
古い作りや複雑時計がNGとされているところを見るに、針の調整については「その時計(ムーブメント)の構造」に依存するといえます。
そのため、「その時計の構造上問題なし」といえる根拠がある場合以外は、できるだけ逆回しは控える・行っても最小限度に留めるというのが良いでしょう。
まとめ
「カレンダーの操作禁止時間帯」とは異なり、議論が分かれているのが「時計の針の逆回し」問題。
古い時計はやめるべきとは言っても、どこまでが逆回転NGとなるアンティーク・ヴィンテージなのかという明確な区分けもありません。
そのため、メーカーや時計修理技能士がOKという場合以外は、「時計の針の逆回転」は極力避けたほうが無難です。