ブランド時計の2大祭典であるバーゼルワールドとSIHH(ジュネーブサロン)。2020年の開催日が決定しました。SIHHが4日間の開催、その翌日よりバーゼルワールドが開催されます。
目次
- バーゼルワールド2020
- バーゼルとSIHH
- 連日開催には賛否両論
- まとめ
バーゼルワールド2020
2020年のバーゼルワールドが、4月30日~5月5日に開催されることが決定しました。これまでは、3月開催でしたが、2020年よりSIHHと連日しての開催になるとのことです。
SIHHももともとは1月開催ですので、両者が歩み寄った形でのスケジューリング調整になります。
SIHH 2020:
2020年4月26日(日)~4月29日(水)
バーゼルワールド2020:
2020年4月30日(木)~5月5日(火)
バーゼルとSIHH
バーゼルワールドは、世界最大の時計・宝飾品の見本市です。1917年のスイス見本市を起源とし、そこから100年超と、非常に歴史の深いイベントでもあります。
2019年は、3月21~26日にスイス・バーゼルにて開催が予定されており、約700ブース・10万人の動員を見込んでいます。
一方、ジュネーブサロンとも呼ばれるSIHHは、1991年にリシュモングループが創設した見本市です。2019年は1月14~17日に開催され、35ブランドが参加。前年よりも15%多い23,000人が来訪しました。
2018年には、エルメス・ジラールペルゴ・ユリスナルダンなどがバーゼルからSIHHに移籍したことも話題になりましたね。
両者不振?SNSの台頭で撤退ブランドも
これまで対抗する形で行われてきた両イベントですが、2020年の連日開催には、動員数を増やしたいという共通の意図があります。
現代はSNSなどのプラットフォームが普及したことで、誰かがアップした動画や写真を通して、実物を手に取るような感覚で時計を眺めることができるようになりました。そのため、わざわざ現地まで足を運ぶバイヤーが減っていく可能性があります。
また、動員数が減ってくると、高額なブース料を支払って展示するブランドも同じように減っていく可能性も危惧されます。ブランド側にとっては、見本市に出すよりも、SNSで発信なり自社で展示会を開催するなりしたほうが広告効果があると判断すれば、撤退という選択もあるわけです。
バーゼルワールドとSIHHは、こうした懸念より、開催時期を同時期にすることで、参加者は2度スイスに足を運ばずとも、どちらのイベントにも参加できるよう配慮したというわけです。
連日開催には賛否両論
バーゼルとSIHHの連日開催には、メリットもデメリットもあるようです。
メリットとしては前述した通り、開催時期がまとまることで、参加者は2度足を運ぶ必要がなくなること。そして、目的のブランドを見るついでに、他のブランドも見れるということです。これはブランド側にもメリットとなります。
また、デメリットとしては、イベント会場のスタッフが確保できるのかという問題があるようです。新しい時計の見本市ということで、華やかな会場を作るという目的において、イベントスタッフが約2週間連日の労働となってしまうと、疲れ切ってしまうのではないかという心配があります。
まとめ
バーゼルとSIHHの連日開催は2020年~2024年まで続きます。その中で、動員数はどのように推移していくのか、また各ブランドがどのような動きをしていくのかも気になりますね。
2019年よりどちらにも参加を表明していないスウォッチグループ(オメガ、ブレゲ、ブランパン、ハリーウィンストン、ロンジン、ジャケドロー、ラド―、ハミルトンなど)のような動きが増える可能性もあり、目が離せない5年間になりそうです。