機械式にすべきかクオーツにすべきか。クオーツショックを経て、機械式時計が復権した現代では、この点が時計を買うときに気になるポイントの一つといえます。
そこで今回は、機械式時計(自動巻き・手巻き)とクオーツ時計の違いを比較して、どちらがオススメの時計かを見ていきます。
目次
機械式時計とクオーツ時計の違い
自分の時計や気になる時計が、クオーツ式か機械式が分からない…そんなときは「針の動き方」を見てみましょう。
クオーツ式の時計は、秒針が1秒ずつジャンプして動くのに対し、機械式は1秒よりも細かい動きで針が進んでいきます。
また、機械式・クオーツのメリットとデメリットは、大きく以下のようになります。
機械式 | クオーツ |
▼メリット
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▼メリット
|
▼デメリット
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▼デメリット
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機械式時計のメリット・デメリット
まず機械式時計のメリットから見ていきます。
ステータス性・資産価値が高い
クオーツ式との一番の違いは、その資産価値にあります。時計を売りに出したときの価格(換金率・リセールバリュー)を見ればその差は明らか。特にロレックスなどは購入金額以上の値段で売れることも珍しくありません。
「腕時計投資」という言葉があるほど、機械式時計は「時間を見る」以上の価値を持つようになっています。
またステータス性や、いわゆる「錯覚資産」の形成にも、機械式時計は一役買っています。ほとんどの高級ブランド時計では、芸術品としての側面ももつ機械式のムーブメントを採用しています。
これ見よがしに車や時計でアピールするといった時代でなくとも、今なお第一印象の要素として「高級時計」が役に立たないと言い切るのは難しいのではないでしょうか。
動力のパワーが強い
ゼンマイによって動く機械式時計は、針を動かす力が強いのも特徴の一つです。
これにより、クロノグラフや複雑機構など多くの部品・針を動かす機能を加えることが可能となりました。
修理・メンテナンスによって一生使える
機械式時計の場合はたとえ故障した場合でも、部品を修理して使い続けるということができます。
電子部品で構成されているクオーツは「使い捨て」となってしまうことが多いのと比べると、一生使えたり、子や孫にも受け継げるというのは夢がありますね。
機械式時計のデメリット
反対に、機械式時計のデメリットは次の点が挙げられます。
- 精度が低い
- ゼンマイを巻かないと止まる
- 磁気・衝撃・水に弱い
- 高価
やはりクオーツの方が精度が高く、数年単位で見たときの耐久性には劣ってしまします。それに今では100円~数万円で買えてしまうクオーツタイプとの価格差が大きい点も、機械式のデメリットといえます。
クオーツ時計のメリット・デメリット
次に電池で動くクオーツ時計を見ていきます。
高精度
まずはその精度の高さ。「月差」と呼ばれる一か月に起こる誤差は、±15秒~±30秒程度。中には「年差」という1年での誤差を数秒以内に抑えるというものも。
さらに電波時計であれば、その都度基地局から情報を受信するため、極めて高い精度で時計を表示できます。
磁気・衝撃・水に強い
Gショックをはじめ、耐久性の強さもクオーツ時計のメリットといえます。
繊細な扱いが求められる機械式時計に対し、多少荒くても時計の故障を気にすること無く使えるのは嬉しいポイント。
安価
かつては貴族などしか手にできなかった時計は、今では100円ショップでも売られるほどに。時計が広く普及したのには、クオーツ時計の登場は欠かせないでしょう。
クオーツ式時計のデメリット
クオーツ式時計のデメリットは、次のようになるでしょう。
- 電池切れで動かなくなる
- ステータス性・資産価値が低い
- 修理が困難
- 耐用年数(寿命)は10年程度
「電池切れである日突然動かなくなった」誰しも一度はそんな経験をしてきたはず。ソーラー式であれば無縁ですが、特に今日に限ってという場面で止まってしまうリスクはクオーツ時計のデメリットですね。
また、使わなくなった場合に高値がつきにくいのも、クオーツ式時計。そのため売る際には時間と手間を考えると、リサイクルショップなどでの売却がベターとなることも。
また、電子部品のため修理し続けて使うというのもメジャーではなく、電子回路自体の寿命が10年程度のため、一生モノとして使うのには不向きとなります。
まとめ:おすすめの腕時計はどっち?
それぞれのメリット・デメリットを比べると、「とにかく安く済ませたい」「荒っぽい使い方でも壊れないものがいい」という場合はクオーツ式一択となります。
反対に「一生モノとして大切に使いたい」「一目置かれる人になりたい」という場合は、機械式時計がベストでしょう。