モノをコトと一緒に売る=エクスペリエンス型製造業シフト
2017/11/29
markです。今日はシンガポールです。
今日は日本には無いけど、日本風な人気店渡邊珈琲さんでこれを書いてます
最近多いご提案は、モノを売っている会社さんをどうコト→モノの流れにつなげるかというお話です
◆モノづくり日本
内需と同調圧力の強い日本では
商品は、より良いものへと厳しく磨き上げられて行きます
良いものは自然と口コミで広がりそしてそれを支えるだけの売り上げが充分成立すると言うことで、メーカー側も努力してそれで成り立ってきたからです
黙って良いものを作ればわかってくれる人がいるという時代でした
しかしながら縮む国内マーケットサイズに対して、これから製造業の数は明らかに超過していきます
◆進む二極化
私が注目している伝統のジャンルで起きているシフトは
芸術作品化もしくは極端な工業化です
数量限定入手困難な状況を作り、もはやアートのジャンルの扱いとして高額で取引されていく希少な商品
もしくは人件費要素を徹底的に排除し、わずかな人数でオペレーションを回して良質な製品をセンサーなどを多用して、大量に低コストで作っていく工業化
程度の差はありますが、人口減少に伴いよりこの傾向は顕著になっていくと考えております
豊かな中間層が支えてきた日本文化ですが、モノが良いと言うことだけにお金をどんどん払うというサイクルは縮小してきています。
製品が多様である事はすなわち文化が多様であることであり、豊かで魅力的な日本文化を維持することを考える上では、どちらのタイプにも属さない中間の製品作りと言うのも存在し続けてもらいたいなと考えております。
日本酒を例に考えてみたいと思います
アート化すれば手に入らない人が出てきますし、工業化すれば誰でも手に入るようになりますが画一的な仕上がりにならざるをえません。
ビールのハイネケンは世界190カ国以上、日本の外務省が認める国の数で言うと世界には195カ国ありますからほとんどの国でハイネケンは飲まれていると言うことになります。
ここまでパターン化、工業化、ブランドのコントロールができるようになれば本質的に面白くなってきますが、過去の寿司の海外への普及や、日本へ来た食品の普及、例えばパスタが本来の形で定着するまでにかかった時間は大体30年ぐらいですので、世界各地に日本酒が認知され、ワインのようにニューワールド日本酒ができるようになったとして、もうあと早くて10年20年くらいはかかると考えております。
つまりハイネケンのような規模で物を売っていく下地ができるのは、現実的にはまだ先だと私は考えていますので、しばらくは日本酒は日本人及び日本を好きな外国人の方々に楽しんでもらう規模のマーケットと言うことになると考えており、そこから考えると多様な日本酒を保てるようなマーケットを我々日本人が作り出していかないと、日本酒の文化自体が厳しくなっていくと考えています
◆取り得る戦略
今のところ思いついている作戦は以下です
1、アート化する=小ロット希少価値、作家主義、ヴィンテージ、高額販売
作りのしっかりした日本酒であれば熟成は10分させられますのでワインのようにヴィンテージの考えを持ち込めると新しいマーケット開拓にもつながると考えています。ここには酒税法も関わってきますので慎重な議論が必要です。
2、工業化する=徹底的な人件費の排除※機械化だけが選択肢ではなく工業のオフショア化によるコストダウンも考えられる。実際にある産地の焼き物は、作家の作品を除いて、ほとんどタイで作ってます。腰が抜けました。
3、輸出する
これば弊社の主なテーマ
4、周辺事業で近い事業帯を接続していく
日本酒を使った化粧品製造等で成功している酒蔵さんの例のように、自社製品に加えて関連の新しい製品を作ってメーカーとしてさらに勝負をかけると言う考え方もあると思っております
5、新しい事業モデルにメタモルフォーゼする今回私がご提案したいと考えていますのは、製造業と言う業態に加えて、コトと一緒に売る=観光化、エクスペリエンス型へのシフトを案の1つとしてお勧めしたいと考えております
◆コトとモノを売る
モノをモノだけで売ろうとするとこれは結構大変になってきてますが
例えばイベントとモノをセットで売ると言う提案ができると思っています
引き続き日本酒の例で行けば
四合瓶1本1,000円から2,000円と言う値付けで売ったとして、その中の利益率は何%と言う努力は皆さんされています。
日々どうやったらお酒が美味しくなるかと言う努力もたくさんたくさんされております。
残念ながら、ここから先、輸出が大きく伸びない限りは、この売り方は、国内販売が下がれば、そのまま収入が下がると言うスタイルになってきて大変厳しくなると考えております。
そこでコト=エクスペリエンスとセットで売るということをご提案しています。
軍師として雇って頂き、提案している先もありますのですべては書けませんが、例えばご当主や杜氏さんがお話をしてくれますよと言うイベントのチケット4,000円で売ったとしてここにお酒も含めて売る、しかも地元でそれをやるのを旅行のパッケージとして作っていく、いわゆる酒蔵ツーリズムのようなやり方。
このやり方をすれば原価はバレませんし(^^)、バランスシートや製造ボリュームの限界も関係なかったりします。
また、単純に酒蔵開放すれば全てコストになってしまいますが、どのように機会と捉えてやっていくのか、新政さんは有名DJとのコラボイベントを即完売させていますし豊島屋酒造さんは蔵解放をフェスティバルと捉えて新しい打ち出しをしています。
つまりエクスペリエンス提供型製造業と言う新しい業態にシフトすることが私は生き残りのチャンスだと考えており、新しい利益率、新しい在庫の考え方でビジネスを組み立てることで機会を探ることができると考えています。
海外の人にしてみれば、どれの銘柄が美味しいから買うと言う話もありますが、北海道の日本酒、京都の日本酒、東京の日本酒と
エリア名×日本酒と言う切り口でファンになってもらう、もしくは親しみを感じてもらう可能性も探って良いかと考えます。
エリア全体でツーリズムとして打ち出し、そこから、さらに様々な製品を買っていただく
、エリア内の製造業は今までは競合してきましたがこれからは強調して他のエリアにどうやって勝っていくかと言う群雄割拠の時代になると考えております
◆エリアをプロデュース
うちのエリアはおいしいものがあって、温泉があって、風景が綺麗で、と言う趣旨のお話を頂戴することが多いのですが、我々日本人にはよくわかる話でも、外国の方からするとそれは全て同じに聞こえてしまうと言うこともあります。
どのようにエリアとしての特徴出しをしてそこに製品を紐付けて行くか、いろいろ伝えることがあるのを削ぎ落として、編集して伝えるかプロデュースしていくことが、大切だと考えております。
長くなりましたが2020年のオリンピックに向けて、今年から大変お問い合わせが増えております。
2018年にパイロット版のイベント仕掛けを立ち上げて
2019年に本番同様のゲネプロを実施し
2020年のオリンピックイヤーに思いっきりオリンピックに便乗して、自分たちのいるエリアを打ち出していく
このような動きが各地で進んでおります
地方創生というテーマは日本全体の活性化と同義であります。
最後は宣伝になりますが、エリアを盛り上げる軍師ご用命の際は是非スターマークまで
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